【徹底解説】早稲田大学社会科学部 自己推薦合格に向けて!!

現在一部の学部学科で行われている総合型選抜、
いわゆる自己推薦入試ですが、
私学のトップ、早稲田大学においても実施されていることは、
皆さんご存じでしょうか。

早稲田大学社会科学部では、
例年自己推薦から数十名の入学者がおり、
もちろん全体のボリュームで言えば大きくはありませんが、
決して無視できない数の合格者と言えると思います。

本日はそんな早稲田大学社会科学部に合格するために
何をすればいいのか、
自己推薦の出願条件から選考内容、
そして対策まで、
なるべく具体的に書いていこうと思います。

自己推薦の概要

昨年度の倍率

昨年度は、
志願者が297名に対して
合格者は39名、
倍率は7.6倍程度となっています。

総合型選抜としては以上に高いということではありませんが、
決して楽に合格できる水準ではないことは、
おわかりいただけるかと思います。

出願条件

主な出願資格は、
①評定平均4.0以上
②欠席日数が45日以内
③活動実績
の3つです。

③活動実績については、下記のいずれかへの該当が必要です。
●学芸系またはスポーツ系クラブなどに所属し、
 都道府県以上の大会・コンクール・展覧会などに
 おいて優秀な成績を収めた者。
●生徒会活動において、めざましい活躍をした者。
●資格(語学検定や財務・会計資格など)を有する者。
●その他、学校外での諸活動(クラブ活動、ボランティア活動など
 において、めざましい活躍をした者。

選考内容

選考内容ですが、一次選考と二次選考でわかれており、
一次選考が書類選考、
それを通過した場合の二次選考が小論文と面接となっています。

書類選考については、
調査書、800字以内の志望理由書、
大会記録、生徒会活動や学校外活動、資格などを記載する活動記録報告書、
出席状況などを加味し選考されます。

二次選考の面接については情報が
公表されているわけではありませんが、
小論文は過去問がありますので、
こちらを紹介します。

問題文をそのまま抜粋します。

「東京2020オリンピック競技大会は、
様々な意見がある中で今年開催されました。
オリンピックは、スポーツを通じた世界平和の
構築に貢献する一方、巨額の費用が掛かるなどの問題があり、
開催意義が問い直されつつあります。
今後のオリンピックをどのようにしていくのがよいか、
あなたの考えを800字以内で述べてください。」

この設問自体については、
身近な内容ですし、文字数も標準的なものですから、
小論文の書き方を身に付ければそれほど苦労せず
書ききることはできるかなと思います。

対策

では、対策について話していきます。
高校1、2年生から順を追って、
何をするべきか話していきます。

高1、2

高1、2のうちにしなければならないことは、
次の2点です。

①評定平均4.0以上を目指す。
②「めざましい活躍」をする。

まず、1つ目の評定平均4.0以上ですが、
これはまあわかりやすいと思います。

そもそもこれを超えないと受験ができません。
当然これは3年間の平均になりますから、
高1、2のうちからコンスタントに
好成績を取り続けることが必要となります。

②「めざましい活躍」ですが、
もしかするとこれがこの学部の中で
最も難しい箇所かもしれません。

出願条件には「都道府県以上の大会」と書かれていますが
(決して「都道府県以上の大会」を悪く言うつもりはありませんが)、
正直その程度では厳しいと思います。

というのは、過去の合格者の実績を見ればわかります。

過去の合格者の活動実績例が公表されていましたので、
紹介させていただきます。
・囲碁U-20世界大会優勝
・囲碁全国大会優勝
・将棋全国大会優勝
・全国放送コンテスト
・日商簿記1級
・企業における経営企画
・硬式/軟式テニス全国大会優勝
・硬式/軟式野球全国大会優勝
・剣道全国大会優勝
・柔道全国大会第3位
・少林寺拳法全国大会優勝
・サッカー全国大会優勝
・水泳競技アジア大会準優勝
・アイスホッケー全国大会優勝

「めざましい活躍」がどれほどめざましいものか、
おわかりいただけるでしょうか。

このあと解説させていただきますが、
書類選考の事前課題はなく、志望理由書は800字、
二次選考の小論文も800字の1問だけと、
それほど差がつく内容の選考はありません。

ですから、この活動実績で大半が決まると見て
間違いないと思います。

部活動であれば全国大会レベル、
資格試験であれば英検1級など
その分野、資格の最高難易度のものを取れるよう、
あるいは遅くとも高3の夏までに取れているよう
準備を進める必要があります。

高3

高3で必要なことは、次の3点です。

①評定平均4.0以上を目指す。
②志望理由書作成のための自己分析、大学分析
③小論文対策

①は言わずもがなだと思います。
高3の最後まで、定期テスト対策等
気を抜かず進めていただければと思います。

②、③はいよいよ受験対策に入ってきます。

志望理由書ですが、
他の大学・学部の総合型選抜とは異なり、
設問が1問800字、
ここに活動実績や大学で学びたいことなどをまとめて書く形式で、
非常にシンプルなものとなっています。

学部から指定されている内容は下記の通りです。
①あなたの最もアピールしたい活動についての詳細*
*どのように取り組んだか、どのような役割をしたのか、どのような出来事があり、どのように解決したのか、など。
②そこから学んだこと
③合格したら、社会科学部での4年間において、
それをどのように活かしたいかについて、それぞれバランスよく記述し(800字以内)、
志願者本人が作成してください

高校の活動実績と、
大学で学びたいことを結び付けて書くことを意識してください。

…と言われても、
あまり具体的にイメージがわかないと思いますので、
仮想の生徒を想像して、
どうやって書くか、どのように考えるかを
私の意見を書いていこうと思います。

まず仮想の生徒ですが、
学校の成績を一生懸命進める傍ら、
幼いころから取り組んでいる箏で全国高等学校総合文化祭という
文科系の部活の全国大会で優秀な成績を取ることができた、
そこでこの社会科学部の自己推薦に出願したことにします。
(仮想生徒がハイスペックすぎると思われるかもしれませんが、
当該学科に出願するにはそれくらいの実績が必要となります。)

まず、箏の部活動で全国大会で活躍できたのはいいですが、
そこから大学で学びたいことを結び付けなければなりません。

社会科学部と親和性があることであればいいでしょう、
本当は箏の活動の中で社会科学部で学びたいことが見つかり、
社会科学部に出願するというのが理想的な流れですが、
いったん社会科学部に出願するということを前提に考えます。

これは例えば、全国大会への出場に向け練習する中で、
箏が日本でなかなか普及せず、
むしろその数が少なくなっていることに危機感を感じ、
それを社会科学の観点から解決したいと考えた、
ということであればすっきりつながるでしょう。

これには、まず社会科学部では何が研究されていて、
入学することでどのようなことが学べるかを知る必要があります。

これは大学のHPで見ることができますし、
もし知り合いなどでいれば、
直接早稲田大学社会科学部に通う学生に
話を聞くのも1つの手です。

あとは、なぜ早稲田大学の社会科学部を選んだか、
を固めましょう。

これも、しっかりと大学の情報を
集める必要があります。

早稲田大学社会科学部では、
1、2年次は比較的多様な学問の教養を学び、
3、4年次はそれを活かして多角的な視点で
専門分野の研究を行っています。

ですから、例えば、
箏で行き詰ったときには
他の趣味からヒントを得ることがある。
だから、箏以外の趣味も大切にしている。
同じように、問題の解決に様々な観点から
切り込むことが大切と思っている。
だから、専門分野だけではなく
その周辺分野も含めた学習を大切にしている
早稲田大学社会学部を志願した。

このような流れであれば、
つながりがあると思います。

ここまで志望理由書作成の考え方を
書かせていただきましたが、
大学で何をしているかという情報収集、
つまり大学研究と、
自身の体験とを紐づけるロジックが大切であることが
おわかりいただけたかと思います。

③小論文対策についてですが、
こちらも比較的シンプルです。

こちらの学部では、
毎年素直な800字の小論文が出題されています。

昨年度は「東京2020オリンピック競技大会は、さまざまな意見がある中今年開催されました。オリンピックは、スポーツを通じた世界平和の構築に貢献する一方、巨額の費用がかかるなどの問題があり、開催意義が問い直されつつあります。今後オリンピックをどのようにしていくのがよいか、あなたの考えを800字以内で述べてください。」

一昨年は「新型コロナウイルスによって我々の生活や世の中のあり方は大きく変わりました。これを単に災厄としてではなく、改革や新しいアイディア実現の機会ととらえることもできるでしょう。コロナ禍を災厄のままで終わらせないための、あなたのアイディアを800字以内で述べなさい。」

という題でした。

まず、毎年そのときの時事ネタに関するお題が出題されます。

高3の夏あたりから、
その年と前年あたりの時事ネタは
チェックしておく必要があります。

あとは、800字の小論文の書き方をマスターしましょう。

小論文の字数としては非常にオーソドックスです。
1,200字や1,600字程度の出題も多いことを
踏まえると少し少ないですが、
むしり気軽に取り組めると思う人も多いでしょう。

自身の主張から入り、
その根拠を説明、場合によっては
これで800字になるかもしれません。

これに、想定される反論とそれに対する反論、
ここまで書けば多くの場合800字は埋まると思います。

この書き方をマスターした後は、
アイディアを素早く出して、
論理的に説明する練習を繰り返します。

もう少し具体的に説明しましょう。

例えば、昨年のオリンピックのお題であれば、
次のような内容はどうでしょうか。

主張「オリンピックの開催地を固定するべきだ。」
理由「オリンピック開催には巨額の費用負担という問題があるが、毎年同じ場所で開催し、同じ施設を使用することで、その問題の解決が可能と思われる。」
想定される反論「オリンピックは持ち周りの開催とすることが平和の象徴であり、その存在意義だ」
反論に対する反論「持ち回り開催に意義があるとするならば、特定の国で開催するが、主催にまた別の国を用意し、その国が開催にかかる費用を負担する。その代わりに、放送や宣伝などの利益を享受できる仕組みを構築する」

もちろん、この主張自体にはいろいろと欠陥があると思いますし、
まだまだ議論の余地があると思います。

ただ、小論文で大切なことは自身の考えを
論理的に相手に伝えることです。

まずは型を覚え、
正しい型で繰り返し練習をしていきましょう。

まとめ

以上、いろいろと書かせていただきました。

身も蓋もないことを言うと、
社会科学部の自己推薦を受ける上で最も大切なことは、
「めざましい活動実績」を持っていることです。

ただ、この「めざましい活動実績」が出たときのために、
高1、2から学校の成績を取るということが、
この学部を受けるか受けないかということだけではなく、
推薦入試を受ける上で非常に大事なことになります。

何もせず部活動や課外活動だけを進めると、
「めざましい活動実績」が出ても
この学科を受験することはできません。

もちろん、評定平均の条件がない
他の大学・学科だったら出願できますし、
合格することもできるかもしれません。

しかし、もし「めざましい活動実績」が出なかった場合、
その時の保険が何もないことになります。

これはなかなかに危険な賭けです。

この学部に限らず、
他の学部も含め総合型選抜で
他の受験者より突出した活動実績を積み上げることは
決して簡単なことではありません。

スポーツであればケガで活動ができない、
文化部であってもトラブルや本番で調子が出なかったなど、
いくら努力しても結果がでないということは
想定し得ると思います。

それが即、受験終了では
受験戦略として間違っています。

並行して学校の定期テストの学習を進めることで、
活動実績ができればこのような学科の総合型選抜のチャレンジ、
活動実績がでなくとも指定校推薦や学校推薦型選抜、
少しランクを落とせば一般受験で戦うこともできるでしょう。

これが、当塾で掲げる「失敗しない受験戦略」です。

第一志望合格のため、
そしてその計画が思うように進めなかったときの保険のため、
まずは学校の定期テストから、
地道に学力向上を進めていきます。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です