総合型選抜と学校推薦型選抜って何が違うの??大学受験の推薦入試を解説!!

突然ですが、大学入試の制度っていろいろあり、
非常にわかりにくいと思ったことはないでしょうか。

試験を受けて点数順に合否が決まる一般入試はまだわかりやすいかと思いますが、
AO入試や推薦入試など、
いろいろと名前は聞いたことあるけど、
実態がよくわからない、
そんな試験制度もあることと思います。

さらに、昨今の大学入試改革もあり、
その呼び名が変わったり、内容が一部変わったり、
その難解度合いに拍車をかけているところです。

ということで、本日は大学受験のうち、
総合型選抜(旧AO入試)、学校推薦型選抜(旧推薦入試)について
簡単に解説しようと思います。

最初に注意点ですが、
本日解説するのはあくまで枠組みになります。

細かい各大学の出願条件などまでは踏み込みません。
ご興味がある大学がある場合は、
各大学のHP等をご覧になって、
ご自身でお確かめいただければと思います。

大学受験の大枠(一般選抜とそれ以外)

推薦入試の中身に入る前に、
大学受験の大枠となる分類について
解説していきます。

大学受験は一般選抜とそれ以外に分けられます。

一般選抜とは、文部科学省の受験要項によると、
「調査書の内容,学力検査,小論文,『平成 33 年度大学入学者選抜実施要項の
見直しに係る予告(平成 29 年7月)』で示した入学志願者本人の記載する資料等により,
入学志願者の能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価・判定する入試方法」
ということです。

つまり、一般的に共通テストや二次試験の学力試験を受け
入試の合否を決める選抜方法で、
私たちが「大学受験」といって真っ先に想像するのが
この選抜方法だと思います。

まず、この学力検査を重視するか、それ以外を重視するかという視点で、
重視する場合はこの一般選抜、
そうではない場合は以下に記載する一般入試以外の選抜方法という形で
大きく2つにわけられます。

では、一般入試以外の選抜方法について見てみましょう。

文部科学省の受験要項では、これ以外の選抜方法として、
次の5つが挙げられています。

(1) 総合型選抜
(2)学校推薦型選抜
(3)専門学科・総合学科卒業生選抜
(4)帰国生徒選抜・社会人選抜
(5)多様な背景を持った者を対象とする選抜

以上の5項目です。

このうち、「総合型選抜」はもともと「AO入試」と呼ばれていた選抜方法で、
「学校推薦型選抜」は「公募型推薦」「推薦入試」と呼ばれていた選抜方法です。

2021年度入試より、名称と内容が一部変更になりました。

この変更内容について話すと話が脱線してしまいますので、
また機会があればご説明させていただきます。
ここに挙げた一般選抜以外の5項目の選抜方法は、
学力検査以外を重視した選抜になります。

(3)以下の3つについては、
該当する人も少ないかと思いますので、
説明は割愛させていただきます。
本日は残りの2つ、
「総合型選抜」と「学校推薦型選抜」を解説致します。

学力以外を重視し選抜することはわかりましたが、
では、何をもって判断するのでしょうか。

そして、この2つの選抜方法の違いは何でしょうか。

総合型選抜とは??

まず、総合型選抜についてです。

文部科学省の入試要項から引用すると、
「詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって,入学志願者の
能力・適性や学習に対する意欲,目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法。」
ということです。

つまり、単純な学力の優劣だけではなく、
その生徒の意欲や適性を重視し選抜をするという
入試方法になります。

では、この意欲や適性をどのように評価するのかということですが、
これに使用されるのが「志望理由書」や「小論文」「面接」「プレゼンテーション」などです。

大学側はこれらのうちどれか1つで判断するのではなく、
複数の方法を組み合わせ判断をします。

また、これ以外にも、
各学部や学科で、その後の研究に必要になるであろう知識の有無などを問う試験を、
各大学が独自に課しています

例えば、明治大学の総合数理学部先進メディアサイエンス学科の
2023年度総合型選抜では、まず出願条件に
「独自に考えたコンピュータプログラムを作成したことがあり、
その内容を第三者に説明できること。」
という条件があります。

出願書類などによる一次選考を通過すると、
二次選考では自身が作成したコンピュータープログラムのプレゼンテーションと、
それに関連する口頭試問という試験が課されます。

このように、その学部で研究を進めるために
日ごろから高い関心や興味がある生徒、
学ぶ意欲がある生徒を学力検査以外によって選抜するというのが、
この総合型選抜になります。

学校推薦型選抜とは??

続いて、学校推薦型選抜についてです。

再度、文部科学省の入試要項を引用します。

「出身高等学校長の推薦に基づき,調査書を主な資料としつつ,以下の点に留意して評価・
判定する入試方法」
とのことです。

「出身高等学校長の推薦に基づき」というところが、
一般選抜や総合型選抜とは異なるところで、
「学校推薦型」の名前のよりどころですね。

学校の代表として大学に推薦されるという体裁になるわけです。

また「調査書を主な資料としつつ」というのがこの入試方法の特徴で、
平たく言ってしまうと、高校の評定平均が大きな比重を占めるということです。

主に調査書の優劣で合否が決まる学校推薦型選抜ですが、
この枠組みの中でも、
さらに「指定校推薦」と「公募型推薦」の2つに分かれます。

それぞれ細かく見ていきましょう。

指定校推薦

まずは指定校推薦の方からです。

指定校推薦は、大学側から高校側に一定数の枠が与えられ、
その枠の中で高校側が大学に推薦するという入試方法です。

また、評定平均の基準が一緒に課されます。

例えば、A大学がB高校に、
評定平均4.0以上の生徒を2名分、
といった形で枠が付与されます。

この方式は、基本的には高校側と大学側の
信頼関係に基づいて成り立っている制度になります。

どういうことかと言うと、
高校側は一定成績優秀な生徒を送りだす代わりに、
大学側がその生徒の入学を拒否することはないということです。

受験生の立場で言えば、
高校に推薦してもらって大学の入試さえ受けさせてもらえれば、
不合格になることの少ないという、
安心安全の入試制度であるということになります。

ただ、残念ながらそんな優良な制度が誰でも使えるわけではなく、
各高校に与えられた枠の数はそれほど多くありません。
特に人気の大学になると、熾烈な校内競争が
巻き起こることになります。

この指定校推薦枠付与の基準ですが、
こちらも学校推薦型選抜の解説で話した通り、
基本的には学校の評定平均を使用することになります。

例えば、評定平均4.0でこの指定校推薦枠に申し込んだとしても、
評定平均4.3の生徒が2人いれば、
評定平均4.0の生徒は指定校推薦の枠は取れないということです。

そしてこの自校の指定校推薦枠を勝ち取った人が、
指定校推薦の実際の入試を受けることになりますが、
先ほど記載した通り、
ここで不合格となることはほとんどないようです。

(厳密に言えば、近年指定校推薦でも
入学試験で不合格となる生徒がいるようですが、
数名程度のようですので、ある程度準備をすれば問題ないと思われます。)

ですので、この前段階の
校内競争が一番の壁ということになります。

このように、評定平均による校内での限られた枠を勝ち取り、
学校長に推薦されて大学受験に挑む入試方法、
それが指定校推薦となります。

(こちらの校内選考について、厳密に言うと
評定平均以外の部活動や生徒会といった
活動実績なども判断材料になることがあるということですが、
概ね評定平均で決まることが多いようです。)

公募型推薦

続いて、公募型推薦についてです。

これは、先ほどの指定校推薦と異なり、
誰でも受けることができる入試となります。

こちらも「学校推薦型選抜」ですので、
学校長の推薦が必要ですが、指定校推薦のように
各学校に与えられた枠を取り合う競争があるわけではありませんので、
在学中に大きなトラブルや事件を起こしたなどがなければ、
基本的には誰でも学校長の推薦を受けることができます。

一方で、出願条件には多くの場合評定平均などの基準が含まれます。

例えば、学習院大学法学部政治学科の2023年度公募型推薦の
出願条件は以下の通りです。

①当該大学、学科が第一志望であること
②評定平均値が3.8以上であること
③英検準1級合格且つcseスコア2304点以上などの英語資格を満たすこと

この3点すべてを満たす必要があります。

(上記の条件は当該大学の入試要項より、
大幅に割愛し記載しております。
こちらの大学の受験する予定があるなどの方は、
必ず入試要項あるいは公式HPをご確認ください。)

指定校推薦のように校内選考はありませんが、
やはり出願には一定程度の評定や学力が必要であることが
おわかりいただけるかと思います。

ただ、このような大学側が提示する出願条件さえクリアできれば
誰でも出願はできるということになりますから、
もしご自身の興味のある大学に公募推薦があるのであれば、
少し見てみると、もしかすると自身の得意分野と条件が
合致するかもしれません。

尚、当然、指定校推薦のように
枠が限られているということではありませんから、
受験者数の数は定員を超えることも想定されます。

ですので、指定校推薦のように出願できればほとんどの可能性で合格できる
という試験ではありません。

試験内容となる小論文や面接などの対策を入念に施し、
受験に臨む必要があります。

ちなみにですが、先ほど紹介した
学習院大学法学部政治学科では、
志望理由書などの書類選考の第一次選考を通過すると、
第二次選考として
英文資料を読んで日本語で自身の考えを発信する試験や
社会の諸現象について与えられた課題や資料を基に分析・発信をする試験、
そして面接が課されます。

まとめ

さて、大学の入試方式について、
ざっくりと解説させていただきました。

それぞれについて、
改めてまとめましょう。

一般選抜…学力検査を中心に選抜する入試方法
総合型選抜…生徒の意欲や適性を中心に選抜する入試方式
学校推薦型選抜…学校長の推薦を得て、高校の調査書を中心に選抜する入試方式

そして、学校推薦型選抜には、
次の2通りの選抜方法があります。

指定校推薦…各高校に与えられた枠内で校内競争を実施し、勝ち取った者が受験する推薦
公募型推薦…大学側に提示された出願条件をクリアした者であれば誰でも受験できる推薦

なかなか複雑な大学入試ではありますが、
まずは大きな枠組みを理解いただき、
自分にあった形態で受験に向けて準備をいただければいいかなと思います。

尚、再三書かせていただきますが、
これらはあくまで大枠です。

例えば、総合型選抜でも評定平均の出願基準がある場合もありますし、
公募型推薦では評定平均以外に英検などの外部試験の基準がある場合もあります。

また、こちらの記事で書かせていただいている出願条件、試験内容は
私の方で確認しているものではありますが、
誤り、あるいは最新情報では変更があるなど、
万全ではない可能性があります。

本記事はあくまで参考とし、
詳細はご自身で各大学の出願基準等をご確認いただければと思います。

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