【青山学院大学編】自己推薦の出願条件と選抜方法を紹介!!
青山学院大学といえば、
MARCHの中でも人気の大学であり、
日本の難関大学の1つということで
異論はない大学かと思います。
また、キャンパスが原宿にあることから、
華やかなイメージを持っている方も少なくないと思いますし、
近年ますます人気が高まっている大学です。
一方で、当然一般受験では相当程度の学力が必要とされますし、
難易度は決して簡単ではありません。
本日はそんな青山学院大学の入試形式の1つ、
自己推薦入試について、その出願条件や選抜方法を説明していこうと思います。
青山学院大学を受けようと思っている方はもちろん、
そうでない方も、推薦入試のイメージを
何となくつかんでいただくことができるかと思いますので、
是非ご覧いただければと思います。
まずは青山学院大学の入試形態の枠組みを説明させていただき、
その中で自己推薦にフォーカスをあて、
それぞれの学部学科ごとに解説をさせていただこうと思います。
最初に断りを入れさせていただきますが、
出願条件などについては
間違えのないよう再三注意しておりますが、
万が一ということもありますし、
「当該大学・学科を第一志望として考えていること」
「高校を卒業見込みであること」などの当然と思われる内容については
記事の文字数の都合上割愛して記載しています。
受験を考えている方につきましては、
必ず当該大学の公式HPや入試要項を
ご自身でご確認いただきますようお願い致します。
本記事で書かいている条件や選抜内容は、
青山学院大学の2023年度入試の要項から抜粋しています。
入試形態の大枠
まずは大枠を説明致します。
大学受験の形式として、
学力検査を中心に合否を判定する一般入試と
それ以外とに分けられます。
2022年度入試では、
青山学院大学全体の入学者が4,714名に対し、
一般選抜からの入学者が2,807名と6割程度を占めています。
残りの4割、2,000名弱の合格者は誰かということですが、
まずは附属高校や係属高校からの持ち上がり、
指定校推薦など特定の高校でなければ使用できないルートがあり、
それぞれ460名、1,130名がこれを使用して大学に入学しています。
そしてそれらを除いたいわゆる「総合型選抜」に
次のような選抜があります。
①自己推薦
②海外就学経験者や留学生向け選抜
③スポーツ推薦
④キリスト者推薦
このうち、
本日解説するのは1つ目の自己推薦のみです。
それは、他の3つについては
出願できる層が非常に限られているからです。
学校に入試要項が掲載されていますから、
そちらから確認いただければと思います。
自己推薦についても、
決して誰でも申し込めるほど条件がゆるいわけではありませんが、
他に比べると一般的で、
一定程度の評定平均や活動実績があれば
比較的出願しやすいかなと思っています。
ということで、前置きが長くなってしまいましたが、
青山学院大学の自己推薦について紹介していきます。
自己推薦
この「自己推薦」と名前がついている入試方式については、
いわゆる「総合型選抜」と呼ばれる選抜方式になります。
総合型選抜とは、学力以外の、
大学との適正や学生の意欲などを主な判断材料とした選抜方法です。
ですので、一般選抜のように
学力検査を重要視したり、
指定校推薦のように高校内で限られた枠を争うという仕組みではありません。
ですが、誰でも応募が可能かと言われるとそうではなく、
さすがに難関大学なだけあり、
出願条件がいろいろとついてきます。
また、学力検査を重視しないとあるものの、
2次試験で英語を使った試験が課されるなど、
一定程度の学力は必要とされるようです。
自己推薦が行われている学部学科は
文学部英米文学科、文学部史学科、文学部比較芸術学科、
地球社会共生学部地球社会共生学科、
コミュニティ人間科学部コミュニティ人間科学科
の5つになります。
それぞれで独自に出願条件や選抜方法を定めていることから、
それらについて1つ1つ解説していくことにしましょう。
文学部英米文学科
こちらの学科は、
名前の通り英語の学力に重きを置いた選抜になっています。
出願条件は、次のずれかに該当することです。
A.実用英語技能検定準1級以上
B.TOEICⓇListening & Reading 730点以上、Speaking 130点以上、Writing 140点以上
C.TOEFL iBTⓇ 68点以上
D.TEAP(4技能)300点以上
E.IELTS(Academic Module)オーバーオール・バンド・スコア 5.5以上
英検準1級という条件からわかりやすいように、
高校生にはそれなりにハードルとなるレベルかなと思います。
一次試験が書類選考、
二次試験が小論文と面接となっています。
小論文については、
「英文を読み、英語と日本語の両方で文章を書く」形式、
面接については、「英語および日本語」という形式となっています。
出願条件となっている資格試験でも
スピーキングやライティングといった技能が必要になりますが、
二次試験においても実際に英語を運用する能力を求める試験が
課されているようです。
英語については高い能力が必要とされる試験ですが、
青山学院大学の自己推薦としては数少ない、
学校の評定平均の条件がない学科になります。
英語に自信がある方であれば、
他の科目の成績が苦手でも
受験は可能ということになります。
文学部史学科
続いて、同じ文学部の中でも史学科について紹介してきます。
出願条件は、次の①または②に該当することです。
①全体の評定平均が4.0以上であること
②全体の評定平均が3.8以上、かつ「世界史B」もしくは「日本史B」の評定平均が4.5以上である者
選抜方法については、
一次試験が書類選考、
二次試験が筆記試験と面接になります。
一次試験の書類選考では調査書や志望理由書の他に
「入学者選抜課題」が課されます。
2023年度入試要項より、課題を抜粋します。
「21世紀に入って以降も各地で武力紛争が続いてきましたが、2022年2月、ロシアに
よるウクライナへの軍事侵攻が発生しました。人類はこれまでもさまざまな時代や
地域で戦争を体験しています。ここでは、日本または世界において、歴史の中にお
ける戦争の事例を一つ取りあげ、その具体的な実態を紹介するとともに、それが当
時の地域・社会に与えた影響を説明しなさい。なお、文献を必ず参照し、著者、文
献名、出版社および刊行年を明記して下さい。参考文献リストは、指定の文字数に
含めることとします。」
ということです。
要は、歴史上の戦争の実態とそれが社会に与えた影響を説明する、
という課題です。
文字数は2,000字以内です。
二次試験の筆記試験は
「『歴史に関する史料』または『歴史に関する英文』のいずれかを選択し、問題に答える小論文形式」
です。
問題までは公開されておりません。
また、面接内容に関する記述は、
入試要項上は特に見当たりません。
出願条件、選抜方法ともに、
歴史分野に重きが置かれた内容になっています。
文学部比較芸術学科
続いてこちらの学科です。
出願条件は次の①または②のいずれかに該当することです。
①全体の評定平均が4.0以上であること
②次の3点をすべて満たすこと
(1)評定平均が3.8以上であること
(2)外国語の評定平均が4.2以上であること
(3)「世界史B」または「日本史B」のいずれかの評定平均が4.2以上であること
文学部史学科と同様に、
全体評定のみを用いた基準と、
それ以外に当該学科で重要度の高い科目に比重を置いた基準と
2つ設けられています。
一次試験の書類選考を通過すると、
二次試験では筆記試験と面接が課されます。
一次試験では文学部史学科と同様、
論述形式の課題が課されます。
こちらも2023年度入試要項にて公開されておりましたので、
そのまま抜粋してお伝え致します。
「歴史上、芸術が社会に対して与えた影響について、例を挙げて論じなさい。時代・
国・地域は問わない。
論述を進めるにあたっては、Ⅰ美術、Ⅱ音楽、Ⅲ演劇映像の三つの芸術領域のなか
から、一つの分野を選択し、具体的な作品や作家の名前を挙げて論じること。文献
に依拠して議論を進める箇所では、それを明示すること。芸術についての知見、意
欲を存分に表現してほしい」
文字数は2,000字以内と指定されています。
また、「芸術についての知見、意欲を存分に表現してほしい」と
わざわざ課題に明記されています。
これは同じ青山学院大学の中でも、
他の学部学科では見られない記述でした。
あえて入れていることを踏まえれば、
このあたりをしっかりとアピールすることが大切なのだと思います。
二次試験の筆記試験の内容は「芸術に関する基礎知識」です。
当然、こちらの試験問題は公開されておりませんでした。
地球社会共生学部 地球社会共生学科
こちらの学科は出願条件が少し複雑です。
まずは、入試要項に記載されている出願条件の表を
そのまま添付します。
こちらでから、自分で該当する項目があるかどうか探すということになります。
もう少し順を追って、下記で説明をさせていてだきます。
まず、自身で「自己アピールできる分野」を次のいずれかから選択します。
その選択に応じて、出願条件が異なります。
選択できる「自己アピールできる分野」は以下の通りです。
A 英語資格試験高得点者
B 海外留学経験者
C ボランティア活動実績がある者
D スポーツに優れた者
E 海外就学経験者
まず、Aを選択した場合には、
全体の評定平均3.8以上であることに加え、
英検準1級以上などの所定の英語資格が必要となります。
次に、B~Dを選択した場合も同様、
全体評定平均3.8以上かつ所定の英語資格という条件になるのですが、
この英語資格が英検で言うと2級以上など、
Aを選択した人に比べると少し緩い基準となっています。
最後にEを選択した場合ですが、
これはまず「海外就学経験者」に該当するための
海外在籍期間、時期などの条件があります。
詳細の条件は以下の通りです。
「保護者の海外勤務に伴い海外に居住したか否かを問わず、外国における正規の学校教育を
受け、次の①~③のいずれかに該当する者。
① 海外において外国の教育課程に基づく高等学校(10~12年生)に、2年以上継続して在
籍し、通常の12年の学校教育課程を海外の高等学校で2023年3月31日までに卒業見込み
の者、または卒業した者。ただし、卒業した者については、入学時までに卒業後の経過
年数が、1年未満である者とする。
② 海外において外国の12年の学校教育課程を修了した者に準ずる者で、文部科学大臣の指
定した者。なお、以下のすべての要件を満たすこと。
・資格取得後の経過年数が、1年未満であること。
・ 海外において外国の教育課程に基づく教育を受けた期間が、中学校課程以上(7~12年生)で通算3年以上であること。
③ 国際バカロレアの資格を有する者。ただし、資格取得後の経過年数が、1年未満である者とする。」
それに加え英検準1級以上などの英語資格取得の基準があります。
こちらの英語資格の難易度は、Aを選択した場合と同等です。
続いて選抜方法ですが、
一次試験で書類選考、
二次試験で小論文、面接となっています。
一次試験の書類選考ですが、
志望理由書には以下のことについて記述する必要があります。
「これまで取り組んできたことや実績、得られた学びや経験を説明し、自己アピールしてください。
そして、本学部に入学後何を学びたいか、学習計画と目標を記入してください。」
後半の「本学部に入学後何を学びたいか、学習計画と目標を記入してください」は
よく見る課題ですが、
こちらの学部については過去の実績、経験などについても
記述しなければなりません。
おそらく、「自己アピールできる分野」の詳細の記述と、
大学での活動を結び付ける形で、
志望理由などを書いていくことが必要なのだと思います。
当たり前ではありますが、
「自己アピールできる分野」は単に自分がそう思っているだけではなく、
客観的な証拠や実績の提示が必要になるということだと思います。
コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間科学科
こちらの学科で最後になります。
出願条件はつぎのいずれかに該当することです。
入試要項より抜粋致します。
「(1) 次のいずれかに該当する者(学校教育法第90条第1項に規定する大学入学資格を有する者に
限る。)
①高等学校卒業後、職に就いている者
②定時制・通信制・単位制の高等学校卒業見込みの者で既に職に就いている者
(2) 2023年3月までに日本の高等学校または中等教育学校の後期課程を卒業した者もしくは卒業
見込みの者で、次の全項目に該当する者
① 個人で1年以上にわたって継続的にボランティア活動などの社会貢献活動歴がある者、ない
しは、青少年団体をはじめとする各種の団体等で1年以上にわたって継続的に社会貢献活動
歴がある者(部活動や学校行事等の活動は除く)
② 高等学校または中等教育学校の後期課程等における「全体の学習成績の状況」が3.5以上である」
こちらでもわかるかとは思いますが、
簡単にまとめると以下の通りで、
いずれかに該当することが条件となります。
①高校を卒業後、あるいは卒業見込みですでに職についていること
②次の両方を満たすこと
(1)1年以上ボランティアなどの社会貢献活動歴があること
(2)全体の評定平均が3.5以上であること
選抜方法については、
他の学科と同様一次試験が書類選考、
二次試験が小論文と面接です。
また、一次試験の書類選考にあたっては
以下のような論述形式の課題提出が必要となります。
「あなたの住んでいる、あるいは知っている地域での活動について具体的な事例を
挙げ、その歴史的なバックグラウンドや今日の社会における意義を述べ、これから
の活動の展望を述べてください。」
字数制限は2,000字以内です。
参考文献については必ず使わなければならないという指定はありませんが、
参照した場合にはその著者などを記載するための用紙が用意されています。
基本的に現役生が出願する場合には、
社会貢献活動が必要となりますので、
一次選考の課題はそのことを説明するということだと思います。
二次試験についての情報は入試要項にはございませんので、
何か事前に準備していくということではなく、
その場で回答していくということになると思います。
まとめ
以上、青山学院大学の自己推薦について、
簡単に紹介させていただきました。
どの形式においても、
一朝一夕の準備で対応できるようなものではなく、
入念に下調べをする、
あるいは常日頃から関心を持って生活を送るということが
必要になるかと思います。
事前課題を提出する必要がある学科が多く、
課題ではなくとも志望理由などはどの学科でも
1,200字程度のものが必要となりますから、
出願に際してはそれなりの時間が取られることになると思います。
つまり、高3の受験前という受験において最も大事な時期に
膨大な時間を取られることになりますので、
受ける場合にはそれなりのデメリットがあることも承知で
受けていただく必要があるかなと思います。
個人的には、自己推薦の準備を中途半端にし、
結果一般受験の勉強にも身が入らず、
共倒れになってしまうのが一番もったいないと思います。
自己推薦を受けるのであればその準備期間はある程度割り切り、
しっかりと自己推薦の準備や対策に時間を使っていただくのが
いいかなと思います。
そのあたりは、担当の塾の先生や学校の先生とも話し合い、
臨んでいただければと思います。
最後にもう1度だけですが、
本記事に書いている出願条件や選抜方法については、
青山学院大学の公式HPや入試要項をご覧いただき、
ご自身の目で確認いただきますようお願いします。